かわべまゆみ ブログかわべまゆみカワベマユミ 河部真弓河部眞弓

こんにちは! かわべまゆみです。1999年に東京から島根県に夫のUターンにお付きIターンして参りました。
そこで待っていたのは、笑いが止まらないほどハッピーでエキサイティングな田舎暮らしの日々でした。

ブログ

●地域新事業移転促進事業

今日の新聞(山陰中央新報)に、経済産業省に採択された事業が紹介されていた。
昨日、お電話を頂いたのだけれど、もう掲載されるとは思わなかったので、あわててブログを更新している。

事業名は、「地域新事業移転促進事業」で、私たちが取り組んでいる地域マーケティングのノウハウを、他県の市町村に移転するというものだ。


この事業に取り組もうと思ったのは、各地に講演などで伺うと、よく「かわべさんみたいな人が、うちの地域にもいれば…」と、お世辞かもしれないけれど、言って頂くことが多く、また「石見問屋」の事例を紹介すると、「うちの地域も『〇〇問屋』を作りたい」などと、おっしゃる方が多いからだ。


私は、頼られたら何とか応えたい、と思う性格で、厳しい地域の実情などを伺うと、本当にここに住んで、自分でお役に立てることがあれば、なんとかお役にたちたい!と、すぐに思ってしまう。
しかし、身体は一個しかないので、なかなかそうはいかない。また、根っからのプランナーなので、どこに行っても、いろんなプランが浮かんでしまう。しかし、離れていては、なかなかそれも具現化できない。


そんなことを、この数年思っていたところ、まさにドンピシャ、ぴったりの事業を発見したのであった。
これは「応募しなさい」ということなのだろう、と素直に応募したのである。「しない方がいいのなら採択されないだろう」と思っていたら、ありがたいことに採択して頂いた。「取り組みなさい」ということなのだろう。


あともう一つ大きな理由がある。
今年の初めくらいから、私はこれから先どういう方向に向うべきかと考え込んでいた。
深刻な過疎化、少子高齢化の中、地域経済もとんでもなく冷え込み、私などが、地域活動とか、しょせん頑張ってみても、小さな小さな泡沫でしかない。こういう時、大分の父はよく「屁のつっぱりにもならん」と言っていた。(関係ないけれど、私は子供のころ、大分の父に「まんくそ(馬の糞という意味らしい)」と呼ばれていた。実の父であるが…。)


空家活性化なんて言っても、一軒の空き家を活性化する間に、新たに10件近い空き家が生まれる現実。私たちの活動は、ただの自己満足、徒労でしかないのか。せめて、この地域の危機的な状況を多くの人に知ってもらいたい、また地域の良さはPRしたいとテレビや新聞に出れば、「目立ちたがり屋」とバッシング。


役にたたんことやって、誰かに不快な思いをさせているのなら、それは互いにアンハッピーだ。
「はいはい、わかりました。NPOはもうやめますわ。夫にも普通にお給料のある仕事についてもらって、我が家の活性化を考えますわ~。あ~~ばかばかしくて、やってらんね~~」などと、0.01ミクロンくらいは思うこともあった。(父が下品だと娘も下品だ。すんません…)


そんな時に、活路を見出すべく、開催を企画したのが、大森彌先生をお招きしてのシンポジウム。「『消滅に向かう過疎地』から、『極上の田舎』へ」だった。そこで、先生からお教え頂いたお話「幕末、時代の危機感を感じた下級武士たちが、志をたのみに横議・横結・横行して時代を変革した」と。


私は「競争」が苦手だ。「競争」になると、しっぽをまいてすぐに逃げる。
だから、「地域間競争」というのも性にあわない。なんとか「地域間連携」できないだろうか、互いの強みを活かし、弱いところは助け合う。そしてみんながハッピーになれる方法はないだろうかと、常々思っていた。


だから、大森先生のお話は、私に向かう方向を示唆してくれたと思った。
今回の事業は、私なりの「横議・横結・横行」なのだ。


あと、もうひとつ。
私は、地域活動を始めたころから、「地域の自立は、まずは経済的な自立」、「経済的に自立するということは、地域を経営するということ」。「地域を健全に経営するには、地域をマーケティングすべきだ」。
「企業のマーケティングの手法を地域も取り入れるべきだ。」、「なぜなら、経営状況が悪化すれば、企業のように、地域も倒産する時代になってきたのだから…」とシンプルに考えていた。


と、先日私が勝手にマーケティングの師匠として、尊敬している「フィリップ・コトラー」氏の新著を見つけて、大感動した。
原書名は、MARKETING IN THE PUBLIC SECTOR   ・・・まんまやん。。
日本名のタイトルは「社会が変わるマーケティング―民間企業の知恵を公共サービスに活かす」


訳者の方の前書きの中に、「マーケティングの大家であるコトラーが、マーケティングによって変えたかったのは、一企業でなく社会そのものであったということが本書から伝わってくる」というようなことを、書いておられるが、涙が出るほど感動した。


だからこそ私は取り組みたい。
もちろん、私の力など、微微微微微微…微力ではあるけれど、偶然にも「企業のマーケティング」と、「地域の活性化」の両方に関わる人生を送っているのだから。

「そうしなさい」ということなのだろうと思う。

日時: 2008年06月24日 11:25

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
https://www.kawabemayumi.net/cms/mt-tb.cgi/2283

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。
承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)